北九州コドモのミライ

北九州コドモのミライ設立にあたって


放射線に最も感受性が高いのは、こどもたち。そして次世代を担うのはこどもたち。私たち大人だけが幸せでいいのでしょうか。放射性物質に汚染された瓦礫の問題を取り組んでいて、いつも困るのは大人たちの「自分はもう年だから、関係ない」。そして最も困るのは、無関心です。子どものいない未来なんて世界中どこにもありえない、なのにです。

東日本大震災では数多くの命が失われ、福島第一原子力発電所の事故では、多くの人が避難を余儀なくされ、未だ戻れるめども立っていないのです。それほどに、大事故であったのです。非常に悲しいことですが、この事故によって、津波・地震によって出た東北地方の大量の瓦礫に放射性物質が付着してしまいました。この事実を多くの人が知らないまま、まるで事故など終わってしまったかのように、今までと何ら変わりなく過ごしています。

そして環境省は、放射性物質による汚染の前提をごく微量であると誤魔化しながら、日本全国で処理しようとしています。放射性物質に汚染されている瓦礫を全国で受け入れて処理してしまった場合、たとえどんなに微量であっても、どのような影響が出るかは、わかりません。焼却炉で取れると言っていますが、放射性物質は燃やしても消えません。最終処分場では汚染が濃縮します。また、焼却炉の煙突から出る煙について、どの程度放射性物質が取れるのか、実はまだ実験がなされたわけではないのです。

しかしながら、大量の瓦礫の処理に困っている被災地のことを考えれば、どうしたらいいのかと困惑します。ただ、福島県の子どもたちは未だ強い放射線にさらされながら過ごしています。また、関東についても放射性物質で汚染された地域が多数見つかっています。そうした放射性物質で汚染された地域から子どもたちに避難・疎開してもらったり、或いは汚染された地域に安心な食材を提供するためには、九州が放射性物質で汚染されていては、避難や疎開の意味が無いのです。

放射性物質については、どのように人体に影響が出るか未だはっきりと結論が出ていないのです。普段、私たちが中国産といえば「なんとなくよく分からない」から手を出さない、あるいは遺伝子組み換え作物についても同様の反応を示すのに、放射線に関してまるで、何も不安を覚えないのは不自然と言うものです。子どもたちのことを考えて、大人たちはもっと慎重になってほしい、そう思います。

日本に暮らす、全ての子どもたちが、将来も安心して暮らせるようにと願って設立します。

(2011年12月26日)