※余りにも長すぎるので、下にまとめつけた。
<ふくおかネットワーク山本真理市議>
次に震災がれきについてお尋ねをいたします。(01:41:30)
3月11日の東北地方大震災では実に多くの尊い人命が失われました。また、多くの貴重な市民の財産が失われ、家屋や工場が倒壊し、福島県、宮城県、岩手県の各地にはまだ厖大ながれきが積み上げられています。私は先日19、20、21日と宮城県と岩手県を訪問してまいりましたが、未だに8ヶ月たった今でも本当に厖大ながれきが想像を絶するほどの量で立ちはだかっておりました。そしてまた自治体によってもこの復興のスピードそれから中味は色々違っているということを改めて実感してきました。例えば例を挙げますと、石巻市に行って参りましたけれども、発生したがれきは今まで約620万トンと見積もられています。これは石巻市内で処理できる量の100年分と言われています。まだ私が行った時には、石巻港周辺ではまだ、完全ながれき撤去が行われていないところも沢山ありました。被災した工場や家屋等の取り壊しが進めばさらに量が増えることが予測されています。
環境省はこれまで、震災からの復興を進めるため、宮城県と岩手県のがれきについては、広域処理を進めたいと全国の自治体への説明会などで処理の協力を呼びかけていますが、東京都など一部を除いては、東北からのがれきの受入れと処理を行っている自治体はありません。先日武雄市がはじめて九州でこれをやっていきたいと声をあげられていますが、まだ動きはまだです。
北九州市でも、現段階ではがれき受入れは決定していませんが、市民の間では、震災からの復興のためにがれきが大きな障害になることは十分承知しているものの、放射性物質が付着している可能性の高い震災ガレキを北九州市内に搬入し、焼却処分することについては大きな不安がもたれています。実際、これまで125人以上のがれき受入れ反対の意見が、北九州市に届けられたと聞いています。これを受けてのことと思いますが、「市長は『がれきを撤去しないと被災地の復興につながらない現実があり、できる限り応援したい』と述べる一方『市内外からの受入れに慎重、反対のメールが届いており、現状では放射線への不安を感じる人がいる』『国は、がれきを燃やした灰の処分法や安心できる基準を示すべきだ』と訴えた。」などと報道されています。しかし、特に乳幼児のいる家庭からは、どんなに小さい値であっても放射性物質が拡散するのは心配である、北九州市が現在、受け入れについて白紙状態であると知っているがいずれは受け入れざるを得なくなるのではないかとそして心配でたまらない、と言う声が多く私のところにも届けられています。また、関東地方から放射能の問題で北九州市に避難している方々からも、せっかく汚染の濃度の低い九州に逃げてきたのに、北九州に逃げてきたのに避難してきた北九州市でがれき処理をするようになったら次はどこに避難したらよいのだろう、という声も届けられています。私自身も、先ほど述べましたように現地に行って、ものすごい厖大な量のがれきを見て、一体これをどうしたらよいのかということを、本当に悩ましい問題だと思って、この処理が進まないと復興もなかなか進んでいかないのではないかと思っておりますけれども、ご紹介したような沢山の反対の意見もありまして、非常に判断が難しい問題であると認識しております。本市としては、この問題について、今度どう対応していく方針なのでしょうか。
そこでお尋ねします。
まず、北九州市は鉄の町のつながりで、釜石市に職員を派遣して、釜石市のがれき処理計画づくりを支援していますが、釜石市のがれき等からは、福島原発の影響による放射性物質は検出されているのでしょうか。もし検出されている場合には、その量はどれくらいで、その値を北九州市としてどう受け止めているのでしょうか。
次に、環境省による「災害廃棄物の受入検討状況調査」に対し、本市は、がれき処理の受入れ基準を示すことや国民への説明などを要望されたとのことですが、その後、環境省から具体的な見解や返答が示されているのでしょうか。
以上で私の第一質問を終わります。(01:45:56)
<市長>
山本市議へのご質問にお答えします。私からは震災がれきの対応について本市の基本的な姿勢について答弁をさせていただきます。
東北地方を中心に甚大な被害をもたらした東日本大震災は、わが国の歴史においても、また世界的にも稀な巨大災害であります。発生からまもなく9ヶ月迎えようとしている今でも多くの方が不安で不自由な生活を余儀なくされております。
これに対し当市では、岩手県釜石市を中心に単に被災地を助けるという発想にとどまらず、大都市の一員としての責任責務を意識しながら、人命の救助や給水などの緊急対応、保健師による被災者のケアや避難所の運営など積極的に被災地の支援を行ってまいりました。
震災がれきにつきましては、釜石市に関しては70万トンを超える災害廃棄物が発生しております。その処理を支援するため、6月から専門的な知識と経験を有する市の環境局職員を派遣しております。派遣職員からは、釜石市廃棄物対策室の一員として、災害廃棄物の処理計画策定などで中心的な役割を果たしており、災害廃棄物の本格的な処理についても一定のメドがつきつつあると報告を受けております。
一方、大震災による災害廃棄物は環境省の推計によりますと岩手宮城の両県で併せて2000万トンを超える厖大な量が発生しております、これは岩手県で約11年分、宮城県で約19年分のごみ量に相当します。復旧・復興の大きな足枷となっております。
このような中、東京都では11月から岩手県宮古市の災害廃棄物の受入れを開始しました。今後予定の宮城県女川町を含め、平成25年度末までに50万トンの受け入れを発表しております。
環境省が10月に災害廃棄物の受入検討状況調査を行いました。これに対して本市は「釜石市に職員を派遣していること、現時点では検討を行っていないが具体的な要請があった場合には検討を行うこと、想定受入れ処理能力としては年間約4万トンであることを回答いたしました。また回答に加えまして市独自に国へ要望したことというのがあります、それは放射能濃度について受入れ時点での判断が必要になるため国民の安全安心の観点から受入れ基準の考え方について示していただきたいこと、また放射能について国民へのきちんとした説明とそのための資料作成など国民が安全性を理解し、安心して受け入れられるように必要な措置をお願いしたいこと、これが市独自で要望した所でありますが、同様の要望が他の自治体からもあったと伺っております。
さて国の動向でありますが、本市要望に対して個別の回答はありません。環境省では自治体や国民への説明責任を果たすために、11月2日には広域処理促進に関する市民説明資料の公表があり11月18日には焼却処理や再生利用における安全性の考え方を追加した「災害廃棄物広域処理ガイドライン」を改定し、11月18日岩手県宮古市における現地意見交換会の開催などを行っております。さらに受け入れ側住民理解促進のため必要に応じた職員の派遣や被災側自治体と受け入れ側自治体との災害廃棄物の広域を目的とした調整などの業務についても行っております。
本市の考えでありますが、いずれにしても災害廃棄物の受け入れについては現時点については具体的な要請は無く白紙の状態であります。仮に本市が受け入れる場合には、科学的知見に基いた対応を基本に進めるべきだと考えております。市民のご理解を得ながら、事前の放射線量の測定結果などを元に受入れの可否を判断することになります。
残余の質問については環境局長からお答えをさせていただきます。(01:50:35)
<環境局長>(01:53:13)
私のほうからは、震災がれきについてのうち、釜石市のがれきの放射性物質の量、それからこの値の評価についてお答えをさせていただきます。
釜石市では、仮置き場に搬入をされました災害廃棄物のうち、3万8000トンについて処理やリサイクルを民間事業者に一括で委託する「試行事業」を7月から10月にかけて行ってきた所でございます。現在、この「試行事業」の結果を踏まえまして、量的には50万トンを超えるようでございますけれども本格的な処理事業の準備が進められているところでございます。12月中に業者を決定し、1月には事業を開始する見込みでございます。この事業におきます広域処理を含めた処理、リサイクルの方法でございますが、これにつきましては釜石市及び周辺の処理施設が整いつつあるというふうに聞いておりますが最終的には本格事業の業者が決定した時点でこれは明らかになるものというふうに思っております。
お尋ねの釜石市の災害廃棄物の放射性濃度についてでございます、え、環境省が公表しているデータの中に、釜石市の北側に隣接する大槌町これの測定結果がございます。それによりますと、繊維・プラスチック類・木材などが混合した可燃物の放射能濃度は、放射性セシウムが1キログラムあたり80ベクレルと言うふうになっております。この評価でございますけども、これが放射性物質として取り扱う必要の無い基準でございますクリアランスレベル、え、これあの1キログラムあたり100ベクレルでございますけれども、これを下回っているという値でございます。釜石市につきましても同程度の数字ではないかという風に思っております。またこれらの廃棄物を焼却処理した際に生じる焼却灰についても埋立処分可能な基準値、これ環境省の出しているものでございますけれども、1キログラムあたり8000ベクレルこれを大きく下回ることが見込まれます。この基準値は周辺住民より影響を受けやすい作業者の安全性につきましても確保できる数値であるというふうになっております、以上でございます。(01:55:36)
<山本議員>(01:55:36)
具体的データ等示していただきまして有難うございました。再質問に移りたいと思います。まず質問に入る前に、何故今回この問題について扱ったかということなんですが、科学的知見という言葉が先ほどありましたが、これについてはやはり本当にどうなっていくのかということについては、まだ、これから長い目で影響と言うのは見て行かなくてはいけないということで、特に放射性物質の胎児、それから子供達に与える影響・感受性というものが私たちが一般に安全とされているものの範囲の中で本当に安全なのかどうかということは実はよく分かっていないという、そこの所からやはり出発してるということは、是非ご理解をいただきたいと思っております。具体的には、直接お名前とかお会いしていないですけれども、福島原発のエリアで産婦人科医を、産婦人科を開業していらっしゃる方が、これはホント私もお名前等伺っていないんですけども、この事故が起きたから、というよりも以前から非常に胎児に対する影響が高くて、付近のエリアでは死産、流産の率が非常に高かったと。また死産で外に出てくる胎児なんですけども非常に奇形の程度が激しいということを言われておりまして、やはりこのような情報を得るとですね、市民は、例え微量であっても本当にそれが長い目で見て安全と言えるのかと言うのは、可能性とかそれから確立の問題であって、やっぱり心配であるということは、これは当然のことであろうというと思いますので、このがれきの問題等扱ったときにですね、是非議場にいる皆様もですね、過剰な反応であるとか、風評被害であるとかいう風に受けとらないで頂きたいなあという風に思っております。では再質問に入りたいと思います。(01:57:29)
(原子力安全協定について質問及び答弁-ここでは省略)
(02:02:35)続いてがれきの問題です。先ほど釜石市のがれきについての処理計画や量等が示されたということで一応確認をしたいんですが、最初当初釜石市の方から副市長の方から直々に処理についての協力要請があったという風に聞いてまして、現段階にではこの計画を作るそこの策定部門のところに非常に慣れてらっしゃる職員の方に行って頂いて今進みそうだということは釜石市の瓦礫については北九州市は受け入れる可能性はないということだと確認してよろしいんですかね。
<環境局長>(02:03:12)
釜石市のがれきにつきましては、本格事業の中でですね、大体量的には先ほども言いましたように50万以上でございますけれども、私どもが受入れ可能な可燃物というのが6万トンでございます。釜石市の方は焼却施設を持っておりまして、今新しい焼却施設それと古い焼却施設が残っておりました、それを来年の早々には再稼動させたいということで、今取り組んでおります。その稼動が進めばですね、そういう処理量も処理できるというような状況でございます。ただいずれにしましても、先ほど言いましたように処理業者がどういう処理をするかを提案するということでございますので、その処理業者が決定した時点でその辺が明らかになるということでございます。
<山本議員>(02:04:07)
最後にもう一つお伺いします。具体的な要請があれば、そこから安全の数値等も見ながら科学的見地の元に検討していくということだというふうに理解いたしましたけれど、念のためお伺いします。
北九州市で3つ焼却炉ありますけれども、これはダイオキシン対策等はなされたものだという理解はしておりますけれども、この北九州市の持っている焼却炉は仮に低レベルの放射性物質が着いているものであったとしても、これで焼却して十分な除去ができるのかどうか、拡散しないのかどうかということについての見解をお伺いします。
<環境局長>(02:04:44)
私ども3工場ございまして全ての工場にバグフィルターというものがきちんとついております。これは環境省が実際に実験をしたものでございますけれども、それによって99.9%以上の放射性物質が除去できるということでございます。
<山本議員>(02:05:07)
あくまでもこれはまだ受入れも決定してないなかでの話で、非常に議論がやりにくかったとは思いますけれども、やはり、市民の不安の気持ちがあるということは十分受け止めていただき、それから万が一、この受入れを最終的に北九州市民として私たちも含めて決断をしていかざるを得ない時には、やはり量の問題、それからいつ、どこで、というような情報の問題、子供達に特に影響が出ないようにということで十分に配慮して、検討をしていただきたいという要望をして終わりたいと思います。
********************************
北九州市議会 議会中継(録画)から書き起こし
http://www.gikai-tv.jp/dvl-kitakyushu/2.html
<余りにも長すぎる人のために、まとめ>
・市長は「要請があれば受け入れを検討する」と相変わらずの答弁。
・環境局長は釜石市の数値はないが、北の大槌町のデータを引き合いに出し、「繊維・プラスチック・木材を混合した可燃物は1キロ80Bqであるからクリアランスレベルも超えておらず、釜石市も同様であると想定できる。埋立についても1キロ8000Bqを大きく下回る。作業員においても安全性が確保できる数値」と答弁
・山本真理市議が質問前に「事故前から福島では死産が多く、奇形が多かったと聞いている、こういうことを聞けば市民として当然不安がおこる、これは風評被害であるなどとは思わないで欲しい」と要望。
・山本真理市議の「6月に要請があったが、現在は職員を派遣しうまくいっている、北九州市は受け入れる可能性はないということでよいか」という質疑に対し、環境局長は「釜石市の処理業者が決定する12月に詳細が分かるだろう」という答弁。
・山本真理市議の「3つの焼却施設についてはダイオキシン対策はされていると思うが、放射性物質についてはどうか」という質問に対し、環境局長は「環境省の実験データで99.9%以上がバグフィルターで除去できる」と答弁。
・山本真理市議が、最後に「量の問題、いつ・どこでという情報の問題、子供達に影響が出ないように十分に配慮して検討していただきたい」と要望して終了。
<ふくおかネットワーク山本真理市議>
次に震災がれきについてお尋ねをいたします。(01:41:30)
3月11日の東北地方大震災では実に多くの尊い人命が失われました。また、多くの貴重な市民の財産が失われ、家屋や工場が倒壊し、福島県、宮城県、岩手県の各地にはまだ厖大ながれきが積み上げられています。私は先日19、20、21日と宮城県と岩手県を訪問してまいりましたが、未だに8ヶ月たった今でも本当に厖大ながれきが想像を絶するほどの量で立ちはだかっておりました。そしてまた自治体によってもこの復興のスピードそれから中味は色々違っているということを改めて実感してきました。例えば例を挙げますと、石巻市に行って参りましたけれども、発生したがれきは今まで約620万トンと見積もられています。これは石巻市内で処理できる量の100年分と言われています。まだ私が行った時には、石巻港周辺ではまだ、完全ながれき撤去が行われていないところも沢山ありました。被災した工場や家屋等の取り壊しが進めばさらに量が増えることが予測されています。
環境省はこれまで、震災からの復興を進めるため、宮城県と岩手県のがれきについては、広域処理を進めたいと全国の自治体への説明会などで処理の協力を呼びかけていますが、東京都など一部を除いては、東北からのがれきの受入れと処理を行っている自治体はありません。先日武雄市がはじめて九州でこれをやっていきたいと声をあげられていますが、まだ動きはまだです。
北九州市でも、現段階ではがれき受入れは決定していませんが、市民の間では、震災からの復興のためにがれきが大きな障害になることは十分承知しているものの、放射性物質が付着している可能性の高い震災ガレキを北九州市内に搬入し、焼却処分することについては大きな不安がもたれています。実際、これまで125人以上のがれき受入れ反対の意見が、北九州市に届けられたと聞いています。これを受けてのことと思いますが、「市長は『がれきを撤去しないと被災地の復興につながらない現実があり、できる限り応援したい』と述べる一方『市内外からの受入れに慎重、反対のメールが届いており、現状では放射線への不安を感じる人がいる』『国は、がれきを燃やした灰の処分法や安心できる基準を示すべきだ』と訴えた。」などと報道されています。しかし、特に乳幼児のいる家庭からは、どんなに小さい値であっても放射性物質が拡散するのは心配である、北九州市が現在、受け入れについて白紙状態であると知っているがいずれは受け入れざるを得なくなるのではないかとそして心配でたまらない、と言う声が多く私のところにも届けられています。また、関東地方から放射能の問題で北九州市に避難している方々からも、せっかく汚染の濃度の低い九州に逃げてきたのに、北九州に逃げてきたのに避難してきた北九州市でがれき処理をするようになったら次はどこに避難したらよいのだろう、という声も届けられています。私自身も、先ほど述べましたように現地に行って、ものすごい厖大な量のがれきを見て、一体これをどうしたらよいのかということを、本当に悩ましい問題だと思って、この処理が進まないと復興もなかなか進んでいかないのではないかと思っておりますけれども、ご紹介したような沢山の反対の意見もありまして、非常に判断が難しい問題であると認識しております。本市としては、この問題について、今度どう対応していく方針なのでしょうか。
そこでお尋ねします。
まず、北九州市は鉄の町のつながりで、釜石市に職員を派遣して、釜石市のがれき処理計画づくりを支援していますが、釜石市のがれき等からは、福島原発の影響による放射性物質は検出されているのでしょうか。もし検出されている場合には、その量はどれくらいで、その値を北九州市としてどう受け止めているのでしょうか。
次に、環境省による「災害廃棄物の受入検討状況調査」に対し、本市は、がれき処理の受入れ基準を示すことや国民への説明などを要望されたとのことですが、その後、環境省から具体的な見解や返答が示されているのでしょうか。
以上で私の第一質問を終わります。(01:45:56)
<市長>
山本市議へのご質問にお答えします。私からは震災がれきの対応について本市の基本的な姿勢について答弁をさせていただきます。
東北地方を中心に甚大な被害をもたらした東日本大震災は、わが国の歴史においても、また世界的にも稀な巨大災害であります。発生からまもなく9ヶ月迎えようとしている今でも多くの方が不安で不自由な生活を余儀なくされております。
これに対し当市では、岩手県釜石市を中心に単に被災地を助けるという発想にとどまらず、大都市の一員としての責任責務を意識しながら、人命の救助や給水などの緊急対応、保健師による被災者のケアや避難所の運営など積極的に被災地の支援を行ってまいりました。
震災がれきにつきましては、釜石市に関しては70万トンを超える災害廃棄物が発生しております。その処理を支援するため、6月から専門的な知識と経験を有する市の環境局職員を派遣しております。派遣職員からは、釜石市廃棄物対策室の一員として、災害廃棄物の処理計画策定などで中心的な役割を果たしており、災害廃棄物の本格的な処理についても一定のメドがつきつつあると報告を受けております。
一方、大震災による災害廃棄物は環境省の推計によりますと岩手宮城の両県で併せて2000万トンを超える厖大な量が発生しております、これは岩手県で約11年分、宮城県で約19年分のごみ量に相当します。復旧・復興の大きな足枷となっております。
このような中、東京都では11月から岩手県宮古市の災害廃棄物の受入れを開始しました。今後予定の宮城県女川町を含め、平成25年度末までに50万トンの受け入れを発表しております。
環境省が10月に災害廃棄物の受入検討状況調査を行いました。これに対して本市は「釜石市に職員を派遣していること、現時点では検討を行っていないが具体的な要請があった場合には検討を行うこと、想定受入れ処理能力としては年間約4万トンであることを回答いたしました。また回答に加えまして市独自に国へ要望したことというのがあります、それは放射能濃度について受入れ時点での判断が必要になるため国民の安全安心の観点から受入れ基準の考え方について示していただきたいこと、また放射能について国民へのきちんとした説明とそのための資料作成など国民が安全性を理解し、安心して受け入れられるように必要な措置をお願いしたいこと、これが市独自で要望した所でありますが、同様の要望が他の自治体からもあったと伺っております。
さて国の動向でありますが、本市要望に対して個別の回答はありません。環境省では自治体や国民への説明責任を果たすために、11月2日には広域処理促進に関する市民説明資料の公表があり11月18日には焼却処理や再生利用における安全性の考え方を追加した「災害廃棄物広域処理ガイドライン」を改定し、11月18日岩手県宮古市における現地意見交換会の開催などを行っております。さらに受け入れ側住民理解促進のため必要に応じた職員の派遣や被災側自治体と受け入れ側自治体との災害廃棄物の広域を目的とした調整などの業務についても行っております。
本市の考えでありますが、いずれにしても災害廃棄物の受け入れについては現時点については具体的な要請は無く白紙の状態であります。仮に本市が受け入れる場合には、科学的知見に基いた対応を基本に進めるべきだと考えております。市民のご理解を得ながら、事前の放射線量の測定結果などを元に受入れの可否を判断することになります。
残余の質問については環境局長からお答えをさせていただきます。(01:50:35)
<環境局長>(01:53:13)
私のほうからは、震災がれきについてのうち、釜石市のがれきの放射性物質の量、それからこの値の評価についてお答えをさせていただきます。
釜石市では、仮置き場に搬入をされました災害廃棄物のうち、3万8000トンについて処理やリサイクルを民間事業者に一括で委託する「試行事業」を7月から10月にかけて行ってきた所でございます。現在、この「試行事業」の結果を踏まえまして、量的には50万トンを超えるようでございますけれども本格的な処理事業の準備が進められているところでございます。12月中に業者を決定し、1月には事業を開始する見込みでございます。この事業におきます広域処理を含めた処理、リサイクルの方法でございますが、これにつきましては釜石市及び周辺の処理施設が整いつつあるというふうに聞いておりますが最終的には本格事業の業者が決定した時点でこれは明らかになるものというふうに思っております。
お尋ねの釜石市の災害廃棄物の放射性濃度についてでございます、え、環境省が公表しているデータの中に、釜石市の北側に隣接する大槌町これの測定結果がございます。それによりますと、繊維・プラスチック類・木材などが混合した可燃物の放射能濃度は、放射性セシウムが1キログラムあたり80ベクレルと言うふうになっております。この評価でございますけども、これが放射性物質として取り扱う必要の無い基準でございますクリアランスレベル、え、これあの1キログラムあたり100ベクレルでございますけれども、これを下回っているという値でございます。釜石市につきましても同程度の数字ではないかという風に思っております。またこれらの廃棄物を焼却処理した際に生じる焼却灰についても埋立処分可能な基準値、これ環境省の出しているものでございますけれども、1キログラムあたり8000ベクレルこれを大きく下回ることが見込まれます。この基準値は周辺住民より影響を受けやすい作業者の安全性につきましても確保できる数値であるというふうになっております、以上でございます。(01:55:36)
<山本議員>(01:55:36)
具体的データ等示していただきまして有難うございました。再質問に移りたいと思います。まず質問に入る前に、何故今回この問題について扱ったかということなんですが、科学的知見という言葉が先ほどありましたが、これについてはやはり本当にどうなっていくのかということについては、まだ、これから長い目で影響と言うのは見て行かなくてはいけないということで、特に放射性物質の胎児、それから子供達に与える影響・感受性というものが私たちが一般に安全とされているものの範囲の中で本当に安全なのかどうかということは実はよく分かっていないという、そこの所からやはり出発してるということは、是非ご理解をいただきたいと思っております。具体的には、直接お名前とかお会いしていないですけれども、福島原発のエリアで産婦人科医を、産婦人科を開業していらっしゃる方が、これはホント私もお名前等伺っていないんですけども、この事故が起きたから、というよりも以前から非常に胎児に対する影響が高くて、付近のエリアでは死産、流産の率が非常に高かったと。また死産で外に出てくる胎児なんですけども非常に奇形の程度が激しいということを言われておりまして、やはりこのような情報を得るとですね、市民は、例え微量であっても本当にそれが長い目で見て安全と言えるのかと言うのは、可能性とかそれから確立の問題であって、やっぱり心配であるということは、これは当然のことであろうというと思いますので、このがれきの問題等扱ったときにですね、是非議場にいる皆様もですね、過剰な反応であるとか、風評被害であるとかいう風に受けとらないで頂きたいなあという風に思っております。では再質問に入りたいと思います。(01:57:29)
(原子力安全協定について質問及び答弁-ここでは省略)
(02:02:35)続いてがれきの問題です。先ほど釜石市のがれきについての処理計画や量等が示されたということで一応確認をしたいんですが、最初当初釜石市の方から副市長の方から直々に処理についての協力要請があったという風に聞いてまして、現段階にではこの計画を作るそこの策定部門のところに非常に慣れてらっしゃる職員の方に行って頂いて今進みそうだということは釜石市の瓦礫については北九州市は受け入れる可能性はないということだと確認してよろしいんですかね。
<環境局長>(02:03:12)
釜石市のがれきにつきましては、本格事業の中でですね、大体量的には先ほども言いましたように50万以上でございますけれども、私どもが受入れ可能な可燃物というのが6万トンでございます。釜石市の方は焼却施設を持っておりまして、今新しい焼却施設それと古い焼却施設が残っておりました、それを来年の早々には再稼動させたいということで、今取り組んでおります。その稼動が進めばですね、そういう処理量も処理できるというような状況でございます。ただいずれにしましても、先ほど言いましたように処理業者がどういう処理をするかを提案するということでございますので、その処理業者が決定した時点でその辺が明らかになるということでございます。
<山本議員>(02:04:07)
最後にもう一つお伺いします。具体的な要請があれば、そこから安全の数値等も見ながら科学的見地の元に検討していくということだというふうに理解いたしましたけれど、念のためお伺いします。
北九州市で3つ焼却炉ありますけれども、これはダイオキシン対策等はなされたものだという理解はしておりますけれども、この北九州市の持っている焼却炉は仮に低レベルの放射性物質が着いているものであったとしても、これで焼却して十分な除去ができるのかどうか、拡散しないのかどうかということについての見解をお伺いします。
<環境局長>(02:04:44)
私ども3工場ございまして全ての工場にバグフィルターというものがきちんとついております。これは環境省が実際に実験をしたものでございますけれども、それによって99.9%以上の放射性物質が除去できるということでございます。
<山本議員>(02:05:07)
あくまでもこれはまだ受入れも決定してないなかでの話で、非常に議論がやりにくかったとは思いますけれども、やはり、市民の不安の気持ちがあるということは十分受け止めていただき、それから万が一、この受入れを最終的に北九州市民として私たちも含めて決断をしていかざるを得ない時には、やはり量の問題、それからいつ、どこで、というような情報の問題、子供達に特に影響が出ないようにということで十分に配慮して、検討をしていただきたいという要望をして終わりたいと思います。
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北九州市議会 議会中継(録画)から書き起こし
http://www.gikai-tv.jp/dvl-kitakyushu/2.html
<余りにも長すぎる人のために、まとめ>
・市長は「要請があれば受け入れを検討する」と相変わらずの答弁。
・環境局長は釜石市の数値はないが、北の大槌町のデータを引き合いに出し、「繊維・プラスチック・木材を混合した可燃物は1キロ80Bqであるからクリアランスレベルも超えておらず、釜石市も同様であると想定できる。埋立についても1キロ8000Bqを大きく下回る。作業員においても安全性が確保できる数値」と答弁
・山本真理市議が質問前に「事故前から福島では死産が多く、奇形が多かったと聞いている、こういうことを聞けば市民として当然不安がおこる、これは風評被害であるなどとは思わないで欲しい」と要望。
・山本真理市議の「6月に要請があったが、現在は職員を派遣しうまくいっている、北九州市は受け入れる可能性はないということでよいか」という質疑に対し、環境局長は「釜石市の処理業者が決定する12月に詳細が分かるだろう」という答弁。
・山本真理市議の「3つの焼却施設についてはダイオキシン対策はされていると思うが、放射性物質についてはどうか」という質問に対し、環境局長は「環境省の実験データで99.9%以上がバグフィルターで除去できる」と答弁。
・山本真理市議が、最後に「量の問題、いつ・どこでという情報の問題、子供達に影響が出ないように十分に配慮して検討していただきたい」と要望して終了。