2011年10月21日金曜日

福岡市と北九州市の差を知る「ふくおかネットワーク」山本まり市議と給食の放射能問題について話す

ふくおかネットワークという母体を予め説明しておいた方がいいと思う。
私も良く知らなかったのだが、「グリーンコープ」の集まりの中で出来た、会派だという。但しグリーンコープ=ふくおかネットワークではない。なぜならグリーンコープはただの生協であり、自民党支持の人もいれば共産党支持の人もいる。なので、支持基盤では全くないそうである。



さらにグリーンコープについて、余り知らない人のために説明を加えるならば、グリーンコープは同じ福岡地区で有力なエフコープと比べても、食品添加物や遺伝子組み換え食品などに、はるかに厳しい基準を設けている。グリーンコープは広島~福岡あたりまで配達してもらえるようで、エフコープのように地域とは直接かかわりはない。

ということが分かった所で、市議との話に戻そう。

市議によれば、「北九州市の給食は、福岡市と比べて食品添加物などの基準ははるかに厳しい。また、食品の選定業者も非常に厳しい基準で選ばれている。現段階では、他地域から食材が入っているといっても、殆どない。よって、今放射能を測定することには余り意味がないと考える」

もう少し細かい見解

「今の段階では、放射能について、関東とか東北は放射能と付き合っていかねばならないだろうけれども、北九州市については今のところ問題は無い、将来九州に向かって南に段々汚染が広がってくる可能性が高いが、関東以北ほどの深刻さはないだろう。今回、福岡市が給食の放射能問題に先に取り組むことになったのは、セシウムに汚染された可能性のある牛肉が使用されていたからであって、あれで火がついた。今は皆不安でパニックになっているが計測すれば現状はNDのはず。そもそも福岡市と北九州市は元から差がひどくついていて、福岡市がこれから追いついてくる感じになるだろう。その時放射能だけ不安になってもおかしい。遺伝子組み換え鮭など加工食品に使われたらもうわからない。」

ということである。実際に資料を読み比べたということである。北九州市の給食に関する基準についての資料はすごく分厚いので驚いたそうである。おそらく、グリーンコープの組合員として勉強していたから余計驚いたのだと思う。食品についての知識については、山本まり市議については、裏打ちされたものがあると私は考える。



質問を逆にされた。

1)今の北九州市の給食の何が問題なのか
2)放射性物質だけ気にして、給食以外の食事については無頓着だとしたらおかしいのでは
3)給食における放射性物質の基準について、どのくらいの数値であれば納得できるのか
4)検査機器を導入するとして、何ベクレルまで測れば納得するか
5)情報公開といった場合に何を望んでいるのか。現段階では公開しても逆にパニックが起こるだけでは


これについて非常に答えるのに困ったのが2)。知らんわ人の家なんか、と答えたいのだがそうもいくまい・・・

1)問題としては情報を知りたいと思っても、教育委員会に電話して個別にしか答えてもらえない。
2)それは、他の人がどのように考えているかは分からない。ただ、もともと関心が高い人が多いのではないかと思っている。
3)個人的には給食全体として1キロあたり30ベクレルくらいであれば納得できるが、他の保護者はゼロを求めるだろう。しかしゼロは実際無理だろうから、数値に関しては人によるのかも
4)何ベクレル、ということではなく、検査機器を導入して測ることを求めている
5)情報公開は、福岡県単位で購入しているパン・米・牛乳については記載があるが、野菜以外の加工食品や肉・魚についての公開がないので、これを、給食便りや、インターネットですぐに調べられるようにしてほしい。公開してパニックになるということについては、確かにその可能性もあるが、教育委員会の責務として、放射能の対策ということも少しずつ教えていかねばならないのでは。

といったことを答えたような気がする。


会話をした後、情報を開示してほしい、という要求について、山本まり市議とは考え方が違うように思った。

私は情報はすべからく開示すべきだという認識に立っている。そのためには教育の中で、「残念ながら、日本で起きた原発の事故により、放射能と向き合わざるを得ない地域があって、幸いにも北九州市は事故現場からは遠く、給食には放射能による汚染物質は入っていない。今後も汚染物質を入れないようにきちんと対応します」と言った旨学校から説明がなされるべきだと思う。

これに対して、山本市議は情報もあまり開示していいものと良くないものとあるのではないかという認識である。おそらく、山本市議は、汚染されてもいないのに放射能の情報を開示することで、逆に「本当は汚染されているのでは」という不安を煽るのではないだろうかという疑問を持ったのではないだろうか。

この考え方の相違については、もう少し時間がたつことの必要性、教育のありかたそのものに対する考え方の違いがでているように思う。もし北九州市で、今、給食問題をやるならば、学校給食と学校教育の問題というのをまず切り離さないとうまく行かないだろうと思った。